自ら動いて、僕は架け橋になる。(政治学研究科 博士2年)
- 先輩インタビュー
- 2019.12.11
ベルギーで生まれ、ルーベン大学日本学科を卒業後、早稲田大学 大学院 政治学研究科に入学したニコラスさん。ルーベン大学在学中にも語学留学で早稲田に通っていたそうです。現在の寮生活や、これからの展望について伺いました。
ベルギーのルーベン大学日本学科に四年間在籍して修士号を取った後、2010年に早稲田大学アジア太平洋研究科に入学しました。二年間のプログラムだったんですが、入学した翌年に東日本大震災が起きてしまって。親も放射能の問題などを心配していましたから、一年で退学して帰国したんです。そこで一旦、ルーベン大学で研究アシスタントを始めたんですが、研究が面白いという気持ちがどんどん強くなっていき、昨年また日本へ来て、早稲田大学の政治学研究科に入学しました。専攻は国際関係、特に外交史ですね。戦後日本の国際社会への復帰と国際経済機関について研究しています。
研究に集中できる環境を手に入れた
ルーベン大学在学中にも早稲田大学に語学留学で来ていて、WIDではないのですが、その時も寮で生活をしていました。バーやレストランが近くにあって刺激的でしたね。今住んでいる寮の近くは住宅地なので刺激は少ないのですが、研究にはかえっていいのかもしれません。都会のオアシスのような、大きな公園が近くにあることに魅力を感じて入寮を決めたんです。前の寮でもベルギーにいた頃も自炊をしていたのですが、美味しい朝ごはんと晩ご飯が提供されるので生活のことを気にせずに研究に集中できます。夜十一時まで晩ご飯を食べられるので、遅くまで大学にいられるのもいいですね。
新しい環境が人生を豊かにする
まったく知らない人と生活することに対しては不安もありました。でも、そのお陰で積極的な人間になったと思います。自分の部屋から一歩出れば、色々な人と接することになりますから、コミュニケーション能力が自然と高められるんです。新寮生には積極的に声をかけるようにしていて、新寮生と在寮生の架け橋になりたいと思っています。日本人と外国人の交流のためにピクニック、映画鑑賞会、ボウリングなどのイベントを開催したりもしていて。寮生は日本の学部生が一番多いのですが、少し年上な分、相談を受けることも多いですね。「留学してみたいんですけど、どうですか?」とか。留学は楽しいことばかりではないけれど、自分の人生を豊かにするから是非挑戦してみてください、と言っています。
まだ分からない未来を楽しみたい
卒業して、何をするかはまだはっきりとは決めていないんです。そもそも博士号を取ろうなんて、ベルギーにいた頃は考えていませんでした。だから卒業までの間に、大学の世界が自分に合っているのかを確かめようと思っていて。研究が面白ければ大学に残る、違う道に進むとすれば外交の世界や国際関係に関わりのある仕事も面白そうですね。2016年、日本とベルギーは外交関係を樹立して百五十周年を迎えたんですが日本でも様々なイベントが開催されて、日本人が少しベルギーに興味を持ってくれたんじゃないかなと思っていて。私が国際関係の仕事をすることになったら、日本とベルギーの架け橋になるようなことをしたいですね。
ニコラス さん ベルギー・アントワープ出身 政治学研究科/博士2年
※この記事は、2017年8月発行『WASEDA LIFE』の記事を転載したものです
PHOTO BY SATOSHI SHIRAHMA
TEXT BY YOKO OIKE
DIRECTION BY YASUHIRO NISHI
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